動物の病気について

ノミが原因で起こる病気

ノミについて

みなさんはノミについてどれくらいご存知でしょうか?
ここではノミの生態やノミが原因で起こる病気についてご説明します。

ノミの生態

ノミが活動する時期というのは地域によって異なりますが、一定の湿度と温度があればどこにでも生息することができます。特に、梅雨の時期前後には活発に発生し増殖します。
つまり、1年を通しての予防が必要ということになります。

病気や症状

ノミは吸血を行います。その際に体内に入った唾液が原因で強いかゆみを引き起こします。人でも同じですね。体を引っ掻いたり噛んだりすることで皮膚の疾患やストレスの原因にもなります。

また、大量にノミが寄生したまま数日過ぎると、重度の貧血になることもあります。特に子犬・子猫は身体が小さく、血液の量も少ないので気をつけましょう。

瓜実条虫症…瓜実条虫(サナダムシ)という寄生虫が寄生したノミを食べてしまうことによって感染する病気。大量に寄生すると嘔吐や下痢、体重減少といった症状が見られます。

予防方法

スポット剤

錠剤やスポット剤といった簡単な方法で虫を駆除することができます。上がわんちゃん、下がねこちゃん用のスポット剤です。背中に数滴垂らして使用します。

予防を始める時期としては、だいたい気温が18度以上続くような気候になったら始めるといいでしょう。これは室内外に限りませんので1年を通して予防することが大切です。

※ウサギさんで予防をしたい場合、利用できる薬剤が限定されます。誤ったものの使用により重篤な症状を引き起こすことがありますのでご注意ください。

 

予防方法のQ&A

よくホームセンターなどで売っている市販のものとは何が違うの?
市販のものを使うのはダメなのですか?
病院で出すものと市販のものでは、入っているお薬の効果が違います。効き目が違うのです。首輪タイプのような楽なものや安価なものが多いというのが市販されているものの魅力ではありますが、効果はあまり得られないことがあります。
薬局で自分が選んで買う風邪薬と病院で処方されたお薬とだと効き目は違いますよね。それと同じことだと考えて頂ければと思います。
室内飼いで、外に出る機会も少ないし散歩にもあまり行かない子でも予防はしたほうがいいの?
生態の部分でも触れましたが、ノミは室内外関係なくどこにでも生息できます。ですから、家の中が必ずしも安全とは言えません。外出先で人間にくっついてきてそこから感染するということも考えられるので、室内だけで生活している子にも予防をお勧めします。
薬をつけてからシャンプーをしてもいいの?
薬は皮脂腺を伝って体中に行き渡ります。ですので、シャンプーをして皮膚にある油分が落とされてしまうと薬の効果が下がってしまうことも。
皮膚を強くゴシゴシこすったりしなければ大丈夫と言われていますが、メーカーからは投薬から1週間は空けた方が良いとされています。

※不明な点はお気軽にご相談ください。

マダニについて

マダニの生態

マダニは体長2~30mmに8本の脚を持つ、昆虫ではなくクモやサソリに近い生物です。
一般的に家の中にいるイエダニやヒゼンダニなどとは違い、固い皮膚で覆われています。また、栄養源とされる動物の血液を吸うことで大きさは吸血前と比べて100倍になることもあります。
そしてこのマダニは日本各地に生息しています。
盛んに活動する時期は初夏から秋にかけてですが、どんな気候や場所でも適応するため、1年を通しての予防が大切になります。特に野山や草むらで遊ばせる際にはより注意が必要です。

病気や症状

マダニもノミと同様に吸血を行うので、大量に寄生された場合貧血が起こります。また吸血の際に付着する唾液が原因で強いかゆみを引き起こします。
吸血の際にマダニが持っていた細菌や寄生虫などが体内に入ることにより発症するものもあります。
その中でもバべシア症は、バべシア原虫という寄生虫が赤血球を破壊し、発熱や貧血、黄疸を引き起こし死に至ることもあるという恐ろしい感染症です。

また、ライム病は、ボレリア菌により発熱や食欲不振や関節炎、全身が痙攣するといった症状が見られます。
他にもQ熱日本紅斑熱エールリヒア症といったものがあります。
そしてこれらの病気は、わんちゃんだけでなく人間にも感染することがあるというのが怖いところですね。
その中でも2013年に国内で死亡例が報告されたSFTS(重症熱性血小板減少症候群)という病気を媒介しているのもこのマダニと言われています。

主な症状は発熱や下痢、嘔吐などで現在有効な治療法がなくマダニと接触しないよう野山や草むらに行く時は肌の露出を少なくするといった予防がとても大切になります。

予防方法

予防方法

ノミのところで紹介したものと同じスポット剤を使用します。
あらかじめ予防としてお薬をつけるのはもちろん、マダニがすでにわんちゃんにつき吸血を始めた際にもこのスポット剤を使用しマダニを駆除することができます。

わんちゃんの体にくっつき、吸血をしているマダニを見つけた時に急いで取らないと…!と思い慌てて引き抜こうとすると、マダニは皮膚に口を突き刺した時に、固い物質を一緒に出して体を固定します。無理に取ろうとすると頭部や口の部分だけが皮膚の中に残ってしまい化膿の原因になることがあります。
マダニを見つけた際には、自分で取らずに一度病院を受診することをお勧めします。

フィラリア症について

皆さんは、「フィラリア予防しましょうね」という言葉は聞いたことがあっても
実際にフィラリアについてはあまり知らないのではないでしょうか。
どうして予防しなきゃダメなの?どんな病気なの?そんな疑問を解決します。

フィラリアの生態・寄生部位

フィラリア症は別名「犬糸状虫症」とも呼ばれており、乳白色で細長く糸状の寄生虫です。フィラリアの子供をミクロフィラリア(mf)といい、mfを体内に持っているに刺されることによりフィラリア症に感染します。

感染のサイクル

  • ①蚊がフィラリア症に感染しているわんちゃんの血液を吸血した際にmfを血と一緒に吸引します。
  • ②蚊の体内で感染能力のある幼虫に成長していきます。
  • ③感染能力のあるmfを持った蚊が別のわんちゃんの吸血をする際にそのmfがわんちゃんの体内に移動してフィラリアまで成長します。
  • ④mfはわんちゃんの体内で成長しながら心臓や肺動脈へ移動し寄生します。そしてまたmfが生まれ・・・というサイクルでフィラリア症が広がっていくのです。

大量寄生してしまうと血液の流れが阻害されて症状が重篤になることがあるため、予防と早期治療が大切になってきます。

症状

ほとんどの症例が慢性経過をたどることが多く、症状として乾いたような咳,お腹や胸に水が溜まる,心不全,腎不全,肝不全などが現れます。しかしこれらの症状が現れるまでには通常数年かかり、その進行程度は寄生している虫体の数とわんちゃんの大きさに関係してきます。寄生数が多いほど、また小型犬であるほどに進行は早いとされています。

また慢性経過の途中で急性的に前触れもなく突然症状が出る場合もあります。急性フィラリア症は別名大静脈症候群(Venae Cavae Syndrome)といい、ぐったりする,血色素尿が出る,呼吸困難といった重篤な症状が現れます。その為、一刻も早く虫体を摘出しなければ死に至ってしまいます。

予防方法

予防薬

まずはフィラリア症に感染しているか血液検査を行います。もしフィラリア症に感染しているにも関わらず予防薬を飲んでしまうと、予防薬の投与により一度に大量のmfが死亡します。mfの死体が血管内に詰まることで循環不全を起こしてしまう危険性があるので必ず血液検査を行ってから予防薬を始めましょう。

予防薬としては錠剤タイプとチュアブルタイプが主になっています。わんちゃんの生活スタイルや体重などで予防薬、予防薬量が変わってきますのでまずはご相談ください。

予防期間としては蚊が出現し始める時期から蚊がいなくなった1~2ヶ月後までが理想的です。当院では5月末~11月末を予防期間としています。決められた期間中、毎月1回投与していくことが大事です。途中で投与を止めるのではなくしっかり最後まで投与することが重要です。

シャンプーについて

シャンプー・リンスの目的

シャンプーとリンス

  • ・シャンプーは毛髪、被毛(犬や猫の毛)を痛めるこなく、美しく洗い上げること。
  • ・リンスは洗い上がりの被毛を保護し、美しく保つこと。
  • ・トリートメントは傷んだ被毛の修復をすること。

シャンプーの手順

①予洗い。最初のすすぎ。70~80%の汚れが落ちます。
②シャンプー。20~30%の汚れが落ちます。最初のすすぎよりも時間をかけてすすぎます。
③2度目のシャンプー。マッサージ効果や良質のフィルムを残すのに行います。他、1度目で洗いきれなかった汚れを落とします。

✩薬浴・薬用シャンプー使用の場合

①予洗い時に約5分~10分すすぎます。
②シャンプー剤をよく泡立てて、マッサージするようにシャンプーしてあげます。よく泡立てたら、約10分~15分放置します。放置したら、約5分~10分ほどかけてすすぎます。

シャンプーの種類

・全犬種用
一般的なシャンプー。主に中・短毛種に使います。ふわっと仕上がります。
・ショートシャンプー
ふわっと仕上げ、被毛にハリを与えます。トリミングを行う子、中・短毛の子に使用します。
・ロングシャンプー
被毛から失われやすい水分を補います。被毛を長く保つ子(マルチーズ、シーズー、ダックスなど)に使用します。
・ホワイトシャンプー
被毛に付着した汚れを落とす。白く洗い上げるため、洗浄力大。主に汚れのひどい子、白く保つマルチーズなどに使います。
・パピー(仔犬)用シャンプー
生後6~8ヶ月…仔犬のデリケートな被毛・皮膚を洗浄するために調整されているため、低刺激の成分です。主に仔犬、皮膚の弱い子に使います。
・ノミ取りシャンプー
ノミ、シラミなど外部寄生虫を取り除くシャンプー。ノミを殺すわけではなく、気絶させるので見つけ次第水に入れます。シャンプー後駆虫薬、駆虫剤をつけます。
・ドライシャンプー
一時的なもの。液体シャンプーに劣るため、部分的に使用したり、高齢犬、体力がない子に使います。
・薬用シャンプー
病院で処方されたもの、市販のものがあります。市販のものは効き目が乏しいです。乾燥性湿疹、湿潤性湿疹、皮膚の洗浄。マッサージしながら、シャンプーします。記入された時間放置し、すすぎます。汚れがある子はパピーシャンプーで予洗いします。
・リンスインシャンプー
シャンプーにリンスの成分が含まれているため、シャンプーのあとのリンスが必要ないです。ただし、洗浄力は落ちます。

リンスの種類

  • ・全犬種用リンス
  • ・短毛種用(ショート)リンス
  • ・長毛種用(ロング)リンス
  • ・仔犬用(パピー)リンス
  • ・白毛用(ホワイト)リンス

シャンプーによって被毛に残るアルカリ性を中和させます。被毛を柔らかくし、艶をもたせます。
コーム・ブラッシングの通りをよくして静電気の発生を防止します。

良いシャンプー・良いリンスの条件

良いシャンプーの条件 ○目、皮膚、被毛に優しい。
○洗浄力に優れている。
○起泡力(泡立ち)に優れている。
○pHコントロールされている。
○外観・感触がいい。
良いリンスの条件 ○吸着性が高い。
○静電気防止
○被毛の損傷を予防

Q&A

人間用のシャンプーをペットに使用しても大丈夫なのか?
人間と動物の毛は太さも重さも違うため、求めるスタイルが作れなく、刺激も強いため動物用のシャンプーを使った方がいいでしょう。
シャンプーの頻度について
毎日洗っても大丈夫ですが、皮膚に必要な脂が取れすぎてしまうことがあるので、1週間ほどあけるのが望ましいです。ただ、最近のシャンプーは刺激の少ないものが多く出回っておりますので、ペットの臭いや汚れが気になった時点でのシャンプーをおすすめします。