当院の去勢・避妊手術
去勢・避妊手術は、望まない妊娠・出産を避けるだけでなく、今後かかる可能性のある病気を防ぎ、飼い主様との生活をより良いものにする役割も持っています。
当院では、去勢・避妊手術の際に鎮痛剤を使うことで痛みを少なくし、ワンちゃんやネコちゃんの負担を軽減しています。また、極力出血を抑えることで体に優しい処置を行っております。手術はワンちゃんやネコちゃんの健康を第一に、安全に配慮して行いますが、麻酔などを使用することから術後の容体変化を心配される飼い主様も多いので、基本的に1泊していただきます。
去勢・避妊手術のメリット・デメリット
去勢手術(男の子)のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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不要な交配を避けられる | 麻酔によるリスク (健康かつ低年齢であればリスクは低いといわれています) |
マーキングやマウンティングなどの問題行動や攻撃性を抑制できる | 肥満になりやすい |
去勢していないと発情中のメスのそばにいる際に、 交尾できないことがストレスになるが、手術することでそれがなくなる |
問題行動や攻撃性が抑制されないこともある |
避妊手術(女の子)のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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望まない妊娠を防げる | 麻酔によるリスク (健康で低年齢であれば比較的リスクは低い) |
偽妊娠の予防 | 肥満になりやすい |
発情時のストレスがなくなる | まれに尿失禁を起こすようになる |
発情出血時のお世話の必要がなくなる (避妊手術を受けていない場合、半年~1年に1回の発情出血が起こる) |
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去勢・避妊手術の時期
メスは初回発情が起こる前の生後6~8カ月(大型犬は生後10カ月前後)に手術を行うと、乳腺腫瘍の発生率を抑えられます。オスは6~8カ月齢の性成熟前が良いでしょう。
また、小型犬は乳歯が抜けないまま残ってしまうことがあり、そのままにしておくと、歯並びに支障が出て口内が傷つくことがあります。さらに、犬歯が抜けずに残った部分は汚れが溜まりやすく、歯周病の原因になることもあるのです。そうなっている場合は、去勢・避妊手術の際に抜歯することが可能です。
去勢・避妊手術の流れ
STEP1:診察
子犬であれば、乳歯の抜歯やおへそのヘルニアなど去勢・避妊手術と一緒にできる治療がないかを診ます。6歳以上では、手術をする際に問題となるような疾患がないかを調べるための検査を行います。
STEP2:手術日の決定と内容説明
手術ができる状態だと判断した場合には、手術日を決めて当日の注意事項についてご説明いたします。これまで手術当日は絶食が基本でしたが、近年絶食時間の短縮や手術前の栄養給与に有用性があることが判明しています。
特に、子犬や子猫または闘病中の場合は、体内のエネルギーや栄養が十分ではないことが多いため、手術の際には必要な栄養をしっかりと補給することが必要です。液状の食事が指定された場合はそれを与えましょう。
STEP3:手術当日
予定の日時に手術を開始します。
当院では、各種の鎮痛薬・局所麻酔薬を術前・術中・術後に併用し、ワンちゃんやネコちゃんの痛みを少なくしています。彼らにとって痛みを感じることは大きなストレスになり、傷の治りに悪影響があります。そのため、痛み出してから鎮痛剤を使うのではなく、痛む前から使うことで痛みを極力感じさせないようにすることが大切です。
手術によるお腹の傷は体の大きさにもよりますが、3~5㎝程度です。生活環境やその子の性格によって、傷口の抜糸をするかしないか判断します。
ネコちゃんは傷口を舐めないようにするためのエリザベスカラーを首に巻くストレスを考慮し、ほとんどの場合は抜糸をしない方法で行います。
STEP4:退院
基本的に1泊してから退院となります。退院時に手術後の注意事項をご説明いたします。
STEP5:検診
手術から2~3日経ったら、傷の状態を確認するためにご来院いただきます。抜糸が必要な場合は術後10日前後に行います。
避妊・去勢手術の重要性
ワンちゃんの去勢・避妊手術で予防できること
- 避妊手術……子宮蓄膿症、乳腺腫瘍、卵巣や子宮の腫瘍の予防
- 去勢手術……精巣腫瘍、前立腺疾患、会陰ヘルニアの予防
1回目の発情の前に手術すると、99.5%の確率で乳腺腫瘍の予防が期待できます。予防率は1回目の発情後で92%、2回発情してしまうと74%に下がるため、発情前に手術するのがおすすめです。
ネコちゃんの去勢・避妊手術で予防できること
- 避妊手術……交尾が原因となる感染症からネコちゃんを守ります
- 去勢手術……猫同士のケンカが原因となる感染症からネコちゃんを守り、至る所におしっこをかけるスプレー行動を抑えます
特に、スプレー行動は癖になりやすく、ひどい場合は家の中がおしっこだらけになることもあります。
そのため、去勢手術はスプレー行動を始める前に行うのがベストです。
また、ネコちゃんの乳腺腫瘍は悪性であることが多く、手遅れになってしまうこともありますが、避妊手術で予防率を高めることができます。
いつまでに避妊手術をするかによって予防率が変わり、6カ月齢までで91%、12カ月齢までで86%となっています。
太白区の長町南動物病院 基本情報
院名 | 長町南動物病院 |
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住所 | 〒982-0012 宮城県仙台市太白区長町南3丁目8−28 |
電話 | 022-702-3897 |